『亡き人へのレクイエム』池内紀 (みすず書房16/4) を読む

わたしの青春の日々によく聞いた名前の数々。あの時代は既に遠く去ったのだ、という感慨を覚える。そしてまた、これらの人々により戦後の文化の大きな流れは作られていたんだという歴史を、改めて振り返ることになる。(16/7)
みすず書房より
「ペンによる肖像画の試みである/個性も仕事もさまざまにちがう人たちだが、一つだけ共通している。いずれも、もはやこの世にいない。さらにもう一つあげれば、徒党を組むのをいさぎよしとしなかったこと」
「ほんのちょっとした偶然を意味深い必然に変える何か。それがあってはじめて、その人が自分にとって守護天使のようになった」
(「あとがき」)

し たしかった人、何度か会っただけなのに忘れがたい人、本を通して会った人。出会いのかたちはそれぞれ、でもずっと大切な存在である人々について、時代と生 活に思いを馳せながら、歩いたあとを辿るように書く。各紙誌等に発表した文章を大幅に再構成・加筆修正した27編に、エッセイ「死について」を付す。

(目次)種村季弘/森﨑秋雄/森浩一/北原亞以子/須賀敦子/川村二郎/木田元/森毅/
小沢昭一/松井邦雄/西江雅之/米原万里/赤瀬川原平/宮脇俊三/山口昌男/澁澤龍彥/児玉清/花田清輝/川田晴久/野尻抱影/岩本素白/澤村宗十郎坂東三津五郎/
大江満雄/丸山薫/菅原克己/高峰秀子/野呂邦暢
死について