『桂米朝句集』岩波書店/2011/7を読む

<風鈴も鳴らず八月十五日>。敗戦の時米朝は20歳で、内地のどこかの連隊にいたようだ。天皇の終戦放送が流れて暫くは、多分風鈴も鳴らないような静寂があり、続けて悲喜こもごもの庶民のため息が゛溢れたのかも知れぬ。
 この一句で、米朝俳人の一人となった。(16/7)

▶出版社より
俳句を嗜むことでも知られる桂米朝の初句集。その高座同様に粋で端正な俳句から、遊び心あふれる破礼句まで、東京やなぎ句会で詠んだ作品を中心に収録。俳句にまつわる随筆、毛筆色紙図版なども掲載。
著者紹介 〈桂米朝〉1925年大連生まれ。落語家、重要無形文化財保持者(人間国宝)、文化功労者文化勲章受章。四代目桂米團治に入門、三代目桂米朝を名のる。著書に「米朝落語全集」「上方落語ノート」など。