『漢字と日本語』高島俊男 (講談社現代新書/16/4/)

 漢字と日本語について、日中縦横に語る。いつもながら面白いのは、明治初期の西洋諸国の翻訳語。苦心の後が見える。これはそのまま、文字から見る日本と西欧諸国や中国との歴史とも言えるだろう。

 

講談社BOOK倶楽部

「外来語」はいつからあるのか?
「復原」と「復元」、「降伏」と「降服」のちがいは?
「空巣」の意味は、年寄りだけの家!?
「健康」「積極」「場合」は中国が日本から取り入れた外来語だった。
俗字、異体字、略字の由来は?
読んだその日から、つい誰かに話したくなる漢字雑学の数々。
中国文学者が漢字と日本語の面白さを洒脱に書き下ろしたPR誌「本」の人気連載、新書化第二弾!

 目次
  • まえがき
  • 1「漢語」のはなしから
  • 漢語」のはなしから/外来語/ゴミのはなし/ぼう、暴、暴露など/けだし、蓋/東京駅丸の内口復原
  • 2やさしいことばはむずかしい
  • やさしいことばはむずかしい/「人事を尽くして天命を待つ」ふたたび/「文学」のおはなし/スルスミって何?
  • 3「空巣」「人脈」など
  • 「空巣」「人脈」など/日本新名詞/中国の西洋音訳語/中国地名カタカナ書き/俗語
  • 4中国の「ドーダ」
  • 中国の「ドーダ」――夏王朝・漢字・始皇帝/「国語」運動と文字改革/語と字と意味/中国の現行字
  • 5日本語と国語
  • 日本語と国語/吉田松陰書簡の近代語/『米欧回覧実記』/明治初めの訳語/鴎外の詩/明治の荻生徂徠
  • 6『かながきろんご』
  • 『かながきろんご』/「漢語」「外国」「外国語」/唐の手書き本/六世紀の略字/異体字の話
  • 7江戸のタバコ禁令
  • 江戸のタバコ禁令/名乗と通称/武士の絵日記/兵站、輜重/勅語、奉安殿、御真影/「統一」のはなし
  • あとがき