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『NHKの正体/受信料支払い拒否の論理』

<週刊金曜日ブックレット05/4>

NHK放送が,国営ではなく民間放送でもない、ということで視聴者である国民にはどんなメリットがあるのだろうか。
 それはさておき、この一冊はNHKの権力へのすりよりにより<公正中立>という仮面に隠れ、行って来た国民に対する最近の背信的行いを挙げ,今後の国民のあるべき対応を提案するもの。

目次は以下の通り。
 相次ぐ不祥事と止まらない視聴者の反乱/海老沢会長独裁を支えた政治部支配/海老沢会長のぶざまな引き際/ヨン様から"兵器展"まで貪欲な商法/「沖縄タイムズ」の掲載予定原稿に"待った"/圧力が強まるさなか、民衆法廷番組を改竄/番組改竄で何が消されたのか?/受信料不払いは視聴者の「無言の反乱」(鳥越俊太郎)NHK受信料を拒否して40年(本多勝一)受信料支払い停止運動の論理(醍醐聡) 

 

(以下、全体の状況を把握するために『ウィキペディアWikipedia)』より引用)

1)受信料支払い義務とは何か。NHK側の意見。
 NHKおよび受信料制度の賛同者は、受信料は「NHKを見る・見ない」に対する対価ではなく、テレビ放送受信機所有者から公平に徴収される「特殊な公的負担金」であると主張する。

そして、受信料制度には以下のような目的があることから必要性があると主張される。
*公正な報道を行う為、政府・企業等の圧力に屈しないよう財源の独立性を維持する。

*国民の「知る権利(情報受領権)」を守る。一部の権力者等にとって都合の良い情報ばかりが流され、結果的にそれで国民が誘導されたり洗脳されたりすることを防ぐ。

*安定した財源を確保して、視聴率等の市場経済の原理に流されない機能を維持する。

*放送普及の為に日本全国広くあまねく放送が利用出来るようにする。文化の(生活基盤を支える)担い手となり、国民の生命・財産を守る。情報を共有して地域の人々の結束を深める。

*視聴率が得られなくとも必要とされる教育放送・福祉放送・災害緊急放送を行う。視聴率の影響を受けると、視聴者の興味本位的な番組やスポンサーに迎合する番組制作が行われて放送内容が低俗化することなどが懸念されることから、それを防ぐことにより放送そのものの質の維持・向上を図る。

*テレビ設置者に公平な負担を課すことによって、より民主的な事業運営を図る。株式会社の制度では、より多くの株を持っている株主がその会社を動かす権力を持っていると言える。このような事態になることを防ぐ為に特定の人や企業に負担が偏らないようにし、事業運営に民主主義を反映する。
などなどが受信料支払いシステムの趣旨ということだ。

2)視聴者である国民側から見た,現在の受信料システムの問題点。
 現行の受信料制度には様々な問題点が指摘されており、これらの理由から受信料制度の抜本的な変更や廃止が必要であると主張されることもある。
また、このことを理由として放送法で受信契約の義務が定められていてもそれを締結しない者、受信料を払わない者もいる。
 指摘されている問題点にはおよそ次のことがある。

*放送内容が公共放送として相応しくない
本来公共放送は、報道の中立性・公平性を確保し、視聴率が得られなくても必要とされる放送等を行い、また視聴率稼ぎの為に放送内容が興味本位になることを防ぐ等の目的を掲げているはずである。

*受信料で制作された番組等の営利的な転売
関連会社を通じて放送番組の放送権を転売したり(例:CS局やWOWOW大河ドラマ等、モバHO!へニュース番組)、民間会社を通じて放送番組がDVD等でビデオパッケージ販売されており、非営利の公共放送と呼べるのか疑問である。

*テレビ所有者の全員が受信料を払っているわけではない
在日外国人で受信料を払っていない人もいる。在日米軍の将兵の受信料は米軍側の拒否により支払われていない。

現在のところ、受信契約を締結せず受信料を支払っていなくても、実態としてNHKの視聴が可能であり、NHKは立ち入り調査権がないためテレビを所有していても所有していないとウソをついている人がいても、それらの視聴者に対しても事実上お咎め無しという状態になっている。また、「日本固有の領土である」と日本政府が主張する北方領土の受信機設置世帯からは徴収していないこと(外国政府が実効支配しており、徴収が困難なため)。

 また、企業などの事業所の契約率が低く、大規模な企業であっても実際の受信機設置箇所数ではなく「全社で3台分契約」といったアバウトな契約も少なくないと云われる。
ホテルや旅館の場合も、各部屋にテレビがあれば1室1契約必要であるが、正確な台数で契約していないホテル等も多い。

これでは払う方が損だということで受信料を納めることを拒む人も多い。そもそも、日本国内における正確な受信機の設置箇所数がはっきりせず、正確な契約率を算出すること自体が不可能な状況なのである。
また、2004年7月にNHKの不祥事が発覚して以来、受信料の支払いを拒否する世帯が急激に増え、受信料を払っている人が「なぜうちだけ払わなければならないのか」と不満を抱いている。

*地域開発スタッフらが違法な勧誘を行っている
地域開発スタッフ(NHKから委託を受けて受信契約の取り次ぎや受信料の徴収業務などを行っている業者。通称:地域スタッフ、以下同じ)などが放送法32条1項の最初の段落のみを強調した上で、「不満があっても法律にはきちんと従え」「法律を守らないのは非常識だ」と、半ば命令口調・半強制的・強迫的に受信契約をするよう繰り返し要求したり、また早朝・深夜といった時間帯に突然訪問されること、戸をどんどんと叩く行為、受信契約書であることを告げずに「ここにサインをして下さい」などと氏名・住所を記入させ、印鑑を押させるなど違法なケースがある。
NHKではスタッフに対して接遇教育を行ってはいるものの、効果が薄く言い訳のための教育となっているのが現状である。

地域開発スタッフはあくまでも「契約・集金代行業者」であってNHKとの雇用契約はなく、本来「NHKの者です」と名乗るのは職業詐称にあたる。
また、地域開発スタッフに対して「帰って欲しい」との意思表示をしたにもかかわらず退去しない場合は、刑法130条不退去罪に処することもできる。また、この地域開発スタッフの中には契約を迫る際に「今契約されれば、初回の請求は来月分からとさせていただきます」「今月分だけは無料とさせていただきますから」と虚偽の発言をした上にNHK受信料についての規定の説明もほとんど行わず受信契約(大半のスタッフは、その場で受信料の口座自動振替継続払いの手続きまでさせている)をさせ、実際には契約した当月分から請求されたというトラブルが多発している。

 

 *NHKの経営に視聴者が参加できない
NHKは受信料を支払う視聴者の放送局であるはずなのに、経営に視聴者の意思を反映する手段が限られており、経営委員会や放送番組審議会の構成員は企業経営者や学識経験者が占めていて、視聴者の意見を代弁しているとは言い難い。
また、NHK会長の記者会見にマスコミ関係者以外の視聴者が出席する方法が無い。

こういった状況から,すでに政界の一部からも聞かれたが、2006年1月から自民党の通信・放送産業高度化小委員会等の場で「放送受信料の支払拒否に対する罰則の導入」を内容とする放送法改正の検討を始めてられており、受信料制度廃止の実現は困難な情勢となっている。

 さて、このブックレットに、醍醐聰東大教授は次の趣旨で書いている。
受信契約は、NHK放送法にもとづいた放送をおこない、受信者が受信料を支払う民法上の双務契約とされる。
この立場によれば、放送法に違反した番組があれば、受信者はその部分に関して受信料を支払う義務はないとされる。
民法第533条 [同時履行の抗弁権] 双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。)
 これが妥当な方法だと思うが,NHKは上記と異なる見解を表明しており、番組の内容がいかなるものであろうとも、視聴者は受信契約に定める受信料を支払う義務があるとしている、のは好く云っても悪質な押し売り同然ということになろう。

 この問題の現実的解決策は,WOWOWのようなスクランブル化だろう。受信料を支払っている世帯のみが視聴できる、というスタイルの選択こそNHK側に求めたい。

 しかし実際は、野球中継の放映権を民間放送の相場以上の金額で獲得したりするのをはじめ、視聴率獲得を意識した過剰な演出・表現を行ったり(近年ではニュース番組の『NHKニュース7』『News Watch 9』についてもこれらの事が非難されている)、必要以上に娯楽番組が多かったり、全国放送でありながら一部の地域を偏重した番組作りが行われたり、特定の政治勢力・公的組織を擁護する放送に内容が傾いているのではないかということを指摘する意見も少なくない。(現在では,自民・公明らの政権にすり寄っている報道)

*公共放送と言えども、結局自分の都合の悪いことは隠蔽する可能性があり、背後には国会や総務省等の国の機関があることから「報道の中立性を確保する」も机上の空論に過ぎないのではないか、またいかなる外力に屈しないということは、放送・事業内容も独善的になるのではないかという意見もある。

*安定した財源と法律・政策で守られ、不必要に組織が巨大化している
民間放送市場経済の原理のもと、その存続をかけて厳しい競争の中で動いているが、NHKは受信料収入という安定した豊かな財源が確保され、また特殊法人である故に法人税が免除されている等かなり保護・優遇された組織であると言える。

その財源により不必要なまでに子会社を設立して受信料とは別に多くの利潤をあげ、多くの官僚・上層部の天下り先になっているということ、また不必要な事業に多額の投資をしすぎているのではないかとの声もある。

 そんな中、2004年夏頃に多額のNHK番組制作費用がNHK番組プロデューサーらに着服される事件などの不祥事が相次いで発覚し、それにより従来から受信料を払っていた世帯からも受信契約の廃止・受信料支払いの拒否をされるに至っていることがある。