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『日本人は本が好き』(文藝春秋SPECIAL09.Spring)

サブタイトルは<人生の一書と出会う読書案内>と、いっても寝転んでも読める気軽なところもある読書エッセイ集。

 <巻頭エッセイ>は、鶴見俊輔,柳田邦男,植田康夫,外山滋比古の4人。
鶴見の文章に中里介山が出て来て、初めて知ったのは彼が「言論報国会」に入らなかったこと。流石サムライ。

<特集>は4項。面白かったものを()内に。
1/ジャンル別・この十冊。長谷部日出雄,椎名誠(血湧き肉躍る探険記),細谷亮太(生と死を考えるための本),中村彰彦,池内了(宇宙論への招待),池田清彦,関川夏央,林望,矢野誠一(藝談の傑作),出久根達郎,久保田展弘,水木楊など12人。

2/如何にして本と出会い,作家になったか。
津本陽,阿刀田高(読書の旅路),高樹のぶ子,赤瀬川原平,北原亜以子,逢坂剛,川上弘美(牛として),辻井喬(詩と小説の交流),西村京太郎(目標は清張、感謝は孫一),小池真理子,森村誠一(作家の発条),車谷長吉,夢枕獏,南木佳士,山本一力,北村薫,中川李枝子,三浦朱門,伊藤桂一など19人。

3/泣いたこの一冊。
小山田雄志,山藤章二,松山巌,藤堂志津子,篠沢秀夫,嵐山光三郎,児玉清,白石公子,常磐新平,永江朗(いつも犠牲になるのは子ども)など10人。

4/わが心の書。
堺屋太一,茂木健一郎,岡崎久彦,中西輝政,佐藤優,澤地久枝(語られざる真実),中井久夫,佐野真一(忘れられた日本人),長田弘(サミュエル・ジョンソン伝),安野光雅,辺見じゅん(北越雪譜),横尾忠則,塚本哲也(愛情はふる星のごとく),加地伸行,松井孝典(寺田寅彦の随筆),ロバートキヤンベル (米欧回覧実記),高田宏(バルムの僧院),鈴木秀子,樺山紘一,熊倉功夫(中世文化の基調),御厨貴,今谷明(シベリアに憑かれた人々),マーク・ピーターセン(怒りの葡萄),船曵建夫,野村進,五味太郎,浅井信雄,青柳いずみこ,鶴ヶ谷真一,加藤恭子(平家物語),中村稔(宮沢賢治詩集),芳賀徹など32人。

また<書棚拝見>は、日野原重明,田辺聖子,かこさとし,安藤忠雄
<鼎談>は丸谷才一,半藤一利,山崎正和の3人。
コラム<伝説の読書人>(荷風,熊楠,龍之介,乱歩,甚一)紀田順一郎
ほかに、<江戸のベストセラーと本好きたち>橋口侯之介。<旧制高校生が本を読み出したとき>竹内洋。<読書と翻訳の罠>鈴木孝夫。<入門書で出会う「私の一冊」>東谷暁。<本棚にある生と死>徳岡孝夫。

 右翼文化人から,9条の会発起人までを網羅した顔ぶれは,出版社の営業政策だが、まぁとにかく内容を問わず<本を読む>という一点で,大勢のおしゃべりをそこそこ愉しめる企画。(09/8)