< 映画監督で脚本家の松山善三さんが死去 >2016.9.2 20:21

名もなく貧しく美しく」などの作品で知られる映画監督で脚本家の松山善三さんが8月27日、老衰のため死去した。91歳。

 昭和23年、松竹に入社。木下恵介監督の助監督として、「カルメン故郷に帰る」や「二十四の瞳」などに参加。木下監督による脚本の口述筆記を務め、シナリオ作りを学んだ。その後、脚本家として「人間の條件」や「恍惚の人」「人間の証明」などの作品を発表した。

 「二十四の瞳」の撮影時に親しくなった女優の高峰秀子さんと30年に結婚。36年には、高峰さんを主演に聴覚障害者の夫婦を描いた「名もなく貧しく美しく」で監督業に進出。「われ一粒の麦なれど」「ふたりのイーダ」「典子は、今」など社会的弱者を取り上げた作品を数多く手掛けた。

 62年に紫綬褒章、平成7年に勲四等旭日小綬章を受賞した。