2016-08-17から1日間の記事一覧

『飯沢匡新狂言集』(平凡社84/9) を読む

遠くヨーロッパの民話などを尋ねて、換骨奪胎日本の狂言に生き返らせた飯沢の名翻案狂言集。明治以降の経緯も振り返りながら、新たな試みも多くつくられるよう、今後を愉しみにしたいもの。(16/7)▶飯沢匡父 の転勤先の和歌山市で生まれ、愛媛県松山市を経て…

『天野祐吉のことばの原っぱ』天野 祐吉 (まどか出版03/1)を読む

<ことば>の面白さ、愉しさを僅か何ページかで語るエッセー群。思わずニヤリ、はてさてそういうことも云えるか。改めて幾許かの発見もある好著。 (16/8)▶出版内容紹介近ごろ、ことばは元気がない。コ ミュニケーションの効率第一主義というビョーキにかかって…

『本の立ち話』小沢信男 (西田書店11/3)を読む

著者の一時代に対する追悼を含めた短編エッセー集。背景には<新日本文学>VS<人民文学>という非生産的な論争も潜んでいる頃からその後、それ等には触れずに多くの知友、あるいはマスコミにも華々しく登場しなくなった過去の作家への鎮魂歌となっている。 例え…