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<退位「議論に感謝」 天皇陛下83歳に>2016/12/23

天皇陛下は二十三日、八十三歳の誕生日を迎えられた。これに先立ち皇居・宮殿で記者会見し、退位の意向を強くにじませた八月のビデオメッセージについて「この先の在り方、務めについて、ここ数年考えてきたことを内閣とも相談しながら表明しました」と振り返った。その上で「多くの人々が耳を傾け、おのおのの立場で親身に考えてくれていることに、深く感謝しています」と、政府が有識者会議を設置するなど国民的議論となっていることに謝意を示した。

 陛下がビデオメッセージ公表に際して内閣と相談していたことや、公表後の心情を明かしたのは初めて。

 一月のフィリピン訪問では、滞在中の交流体験に触れ「両国の今日の友好関係は、先の大戦で命を落とした多くのフィリピン人、日本人の犠牲の上に長い年月を経て築かれてきました」と述べ、さらなる友好の発展を願った。そして「戦没者の霊の鎮まるそれぞれの場を訪ね、冥福を祈る機会を得たことは、ありがたいことでした」と述懐した。

 発生から五年が過ぎた東日本大震災では、被災地の視察で復興への努力を見たとする一方、今も多くの人が困難な状況にあることを懸念。「国民皆が寄り添い、協力していくことが必要と感じます」と語った。

 また、熊本地震の被災者を「人々の不安はいかばかりであったかと思います」と気遣い、八月の台風10号による大雨で犠牲者が出たことにも「痛ましいことでした」と思いを寄せた。

 十月に亡くなった、昭和天皇の末弟で陛下の叔父に当たる三笠宮さまを「戦争を経験された皇族であり、そのお話をうかがえたことは、意義深いことでした」としのんだ。

 宮内庁によると、陛下はこの一年間、内閣から上がってきた千三十一件の書類に署名、押印し、大臣ら九十七人の認証官任命式に臨むなどの国事行為をした。国事行為以外の公務は、皇居での各界代表者らとの面会が七十五回あり、静養以外で十一府県の二十一市九町三村を訪れた。